近年、不動産投資が流行し、不動産投資をめぐる消費者被害も増えています。そこで、不動産投資をめぐる法律上の規制についてどのようなルールがあるか、契約の有効性をどのように争うか等についてご紹介します。

不動産投資被害の実例

・執拗な電話による勧誘があり、断り切れずに会うと執拗な勧誘を受け、契約してしまった。

・「近いうちに近隣の開発があるので土地が値上がりする」と言われて契約したが、その後値上がりすることはなかった。

・「良い物件なのでローン返済以上の家賃収入がある」と言われたので、フルローンにより契約したが、空室の時期もあり家賃収入よりもローン返済額の方が上回っている。

・「空室でも家賃保証される」と言われてサブリース契約を締結したが、諸経費の負担が重く、また家賃保証も数年しかなかった。

法律上の規制

宅地建物取引業法

長時間の勧誘や脅迫まがいの勧誘のほか、断片的情報のみしか与えないことによる勧誘行為、判断のために十分な時間を与えないといった不当な勧誘行為は宅地建物取引業法において禁止されており、これにより物件を購入させられた場合には民法90条違反(公序良俗)により、契約の有効性を争うことが考えられます。

事務所以外の場所における契約締結にはクーリング・オフの適用があり、告知を受けた時から8日以内に意思表示をすることでクーリング・オフできる場合があります。

また、宅地建物取引業者が所属する宅建協会に苦情の申し出をすることで、宅地建物取引業者が納付している供託金から被害を被った分の弁済を受けられる場合があります。

消費者契約法

不動産取引が事業者と消費者の契約である場合には、消費者契約法の適用があり、事業者による詐欺的な言動、不実告知、不利益事実の不告知、困惑させる勧誘行為を理由として契約の取消しをすることができます。

民法

消費者契約法による契約取消しの類型に当たらない場合には、民法上の規定(詐欺・錯誤・信義則・公序良俗・不法行為)を適用して、契約の有効性を争うことになります。

そのほか

近年、購入者の属性等から不動産業者の説明義務違反を認める裁判例もあります。

投資用マンション被害に関する事業者の説明義務(東京高等裁判所令和元年9月26日判決)

昨今、資産運用がホットな話題になり、不動産投資を考える人も増えています。そのよう中、不動産投資のメリットばかりを語る投資用マンションの詐欺被害も増えています。

まとめ

不動産投資の場面では、融資を使って通常では扱うことができないほどの多額の資金を動かす場面であり、事業者としても大きな利益を得る場面であるため、諸々のトラブルがつきものです。

少しでも不審だと思ったり詐欺的な取引だと思った場合にはすぐに専門家に相談することをおすすめします。

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